
******* 「どうだ…これで満足か」 シュラは背後からムウの中に押し入り、吐き捨てるように言った。 「ぐっ…」 落ち着いた声とは裏腹に激しく内部を揺すられムウは言葉をつむぐことができない。 「満足か、と聞いている」 「あ・・あ…ああ」 望んだとおりの苦痛に・・そして快楽。熱を吐き出し倒れこみそうになるムウをシュラは 髪を掴んで引き戻す。 「俺はまだだ」 「うあ・・っく」 シュラの追及は止まない。犯してくれと頼んだのは自分だが、シュラは十分すぎるほど 冷淡に応えてくれた。ムウは痛みと、そして捨てばちな気持ちから大きく喘いだ。 それに促されるようにシュラの抽迭が激しくなる。 ほどなくシュラ自身が中で膨張し、震えつつ果てた。 ムウが安堵したのもつかの間、聞きなれた笑い声が寝室に響いた。 「クックク…よお。楽しそうじゃねえか」 デスマスクだった。なぜこの男がここに…そう思うと同時にムウは急に我に返った。 「コイツが誘ってきたんだ」 ヒュウと唇を鳴らすとデスマスクは羞恥にうつむくムウの顎をしゃくった。 屈辱的な体制のまま、ムウはしかしシュラに抑えられて動くことができない。 「俺もまぜてくれよ・・」 「断る」 デスマスクの手を払うとムウは睨んだ。 「オマエには訊いてねえよ。シュラ。いいだろ」 無言で頷くとシュラはムウを羽交い絞めにした。 「いい格好だぜ」 デスマスクがムウの脚をつかみあげると、ムウは顔をそむけた。 「やめ…うああっ」 シュラの残滓が残る箇所はムウの意に反して滑らかに彼を受け入れた。 「くうっ…」 ムウが背を反らせる。その顔をいやらしくねめつけながらデスマスクはムウの腰に手を回す。 「…いい顔だぜ…前からこのすました野郎を」 デスマスクが静かに身を引く。 「泣かせてやりたかったんだよなあ」 「あああっ」 激しく腰を打ち付けられ、ムウは耐え切れず叫んだ。 浅く深く、滑らかに解れた箇所をデスマスクがからかうように往来する。 「ここか?ん?」 「っ…」 ムウは思わず唇を噛む。デスマスクにいいようにされて達するなど彼のプライドが許さなかった。 「いいぜ泣いても」 「誰が…っ…あっああああ」 いつのまにかデスマスクの指はムウ自身に絡まり、片方の手で乳首を、その下は耳朶をなぶっていた。 一本腕が多いと思うと後ろから伸ばされたシュラの手だった。 「止め…ああっ…や…ああああああ」 デスマスクの的確な責めと絶え間ない愛撫にムウはあっけなく陥落した。 その哄笑を聞きながら体を後ろに預けるとシュラがまた息づいていることが知れた。 しかし見上げてもその目は冷たい色を宿したままだ。 「あ…」 見られていたか。尋常ならざる事態はしかし、ムウに当初の目的を思い起こさせた。 かなわぬ思いを抱えて苦しむくらいならいっそ消えてしまいたい、ひと時でも忘れたいと。 そう思ってこの宮を尋ねたのだった。 こわばっていたムウの四肢から力が抜けた。 「大人しくしてりゃ…可愛がってやるぜ」 デスマスクの口付けを今度は受け入れる。遊びなれているだけあって上手い。 長い口付けの間もデスマスクの腰は止まらず、ムウの口からくぐもった声が漏れる。 自由にされた両手と脚をデスマスクの背中に絡め、誘うような余裕すら生まれた。 うってかわったような陶然とした表情とその吐息の甘さ、何より背中を這う手に、 デスマスクはうっかり果てた。 「ち…卑怯だぞ・・」 解放されたと思った瞬間、ムウはシュラに唇を奪われていた。 「おいっ・・お前まで…まあ順番だからな」 デスマスクは身を起こすとムウを後ろから抱いた。 「楽しませてもらうぜ」 耳朶を噛むデスマスクの声が荒い息と絡み、ムウは総毛立つ。 だがそれでもなお、この狂気の夜のほうが、昼の、悪夢のような現実よりもよい。 溺れている間は、考えなくてすむ。醒めぬ夢を忘れられる。忘れたい。 ムウは一人、酔いながら泣いた。 ******* Topに戻る |