ご注意!一応大人向け。一部ギャグかつ下品です。
*カノンがとても気の毒な話です(一応サガムウ)*





take three









「3pだな。」
プレゼントなど欲しい年ではなかったが、
せっかく訊かれたのだ。素直に答えてみた。
案の定サガは固まったがオレは続けた。
「金髪がいいな。上玉だぞ」
「……」
さすがに呆れたのか、怒鳴りもせずにサガはリビングを出て行った。
オレはさっそくローテーブルに脚を投げ出し、ソファに埋もれた。
オリーブをつまみにウォッカとジンを適当に混ぜていたら
ようやくいい感じに酔いが回ってきた。
もうすぐ日付が変わる。


抜群の美女二人両手に抱えるのは、とりあえず男の夢だろう。
ブルネットも黒髪もいいが、今はとにかく暗がりで揺れるブロンドが欲しい。
そのへんで調達してもよかったが、玄人は嫌だった。
ほかの男のを触った手かと思うと萎えるからだ。

…そもそもだ。
世界征服したら女を両脇にずらりはべらすつもりだったのに予定が狂った。
今にして思えば兄への意地のようでもあったかつての野望を思いながら、
オレは空のグラスの縁をくわえてソファに沈みこんだ。

兄はなかなか戻ってこない。
生真面目な男だから今ごろどこかで苦労して調達してるんだろうか。
そう考えると滑稽だ。

もしかしたらオレはサガを困らせたかっただけなのかもしれないなどと
ぼんやり考えていると、寝室の扉が空いて人影が現れた。
モデルだろうか。長身だ。
アラブの女のように体と顔のほとんどを薄布で覆っていたが
ひと目でもの凄い美人だと分かる。
オレは思わずソファから身を起こした。
暗いから良く分からないが身のこなしは猫のようにしなやかで、気品があり、
そして不思議なほど隙がなかった。


部屋の隅からわずかな光りを受けて
マスカットグリーンの瞳が一対輝いている。
少し釣り目で睫毛が長く、吸い込まれそうな大きな瞳だ。
この、猫のような目にオレはとりわけ弱く、
上目遣いで視線を送られると心臓が跳ね上がった。


女は音もなく近寄るとソファの前に膝をついた。
布を透かして覗く白さはロシアの女のようだった。
叩けばきっと綺麗に赤くなるだろう。
オレははやる気持をおさえ、指の背で顔のベールを外した。
薄いプラチナブロンドの長い髪がさらりとこぼれ…
どこかで見たような顔がそこにあった。
「な、何い…おまえは…!」
オレはそれが白羊宮の同僚だと分かるとしばらく声を失っていた。
小宇宙を消していたとはいえ、気配がまるで別人だったからだ。
この男の弟子をいたぶったことでオレはチクリと嫌味を言われていた…
「聖域にあなたの聖衣はないですよ」、と。
それがどうしてこんなところでいったい何をやってるんだ。
確かに整っている顔なんだろうが、それ以前に男だ。
相変わらず、この男は感情を完全に閉じ込めて、まるで人形のようだ。
なのに今は眼差しだけは暗がりでもわかるほど熱が籠もっている。
長い髪をほどいているからだろうか。
潤んだような眼差しでじっと見つめられるうちに、オレは柄にもなく動揺した。


気が付けば背後から神妙な顔でバスローブをまとったサガが近づいていた。
「おい、話が違う…女…男じゃないか!!!」
「聞け、カノン」
サガが遠い眼差しをしている。嫌な予感がした。こうなると誰にも止められない。
「わたしは仮にも教皇の座に座った男だ」
「だから何だ」
「女犯はしない」
「あほかー!!!」
酔いのせいか、絶望感のせいか、叫び声が裏返る。
だがオレはあることに気付いた。
まあ、もう来てしまってるこの得体の知れすぎている男はともかく。
頭数はもう一人いるはず。それを女にしてもらえばいい。
「三人って言ったろ?もう一人は」
「わたしだ」
「ばかああああああ」
何が悲しくて実の兄としかもできれば顔など見たくはないあのサガと
乳くりあわなきゃならんのだ。28にもなってそれは悲しすぎる。


サガはしかし、オレの絶叫などまるで聞こえないかのような風に
ムウの薄布をとりはらった。
「……な」
オレは思わず目が釘付けになってしまった。
白い体が夜目にもやけに眩しく浮かび上がる。
筋肉はついてはいるが、東洋人だからか、まるで女のような線の柔らかさだ。
オレが腰を抜かしそうになったのはそれだけではない。
ムウは、その処女像のような清楚な体におよそ不釣合いな黒い首輪をつけていたのだ。
皮製だろうか。白い肌に黒がやけに淫靡だ。
良く見れば腰には金の細い鎖がかけられ、肌にはいく筋かの薄く赤い線が走っている。
明らかに柔鞭のあとだ。
…誰の趣味なのか知れないが、仮にも黄金聖闘士の、しかもあのアリエスのムウが
このような格好に甘んじているとは。
「…おまえ…」
思い切り不審と疑惑と驚愕の目を向けてしまったせいか、ムウがわずかに目を伏せた。
「目をそらしてはいけないよ」
サガがムウの背のほうに手を回したかと思うと、ムウの顎が急に持ち上げられた。
急にあらわになった喉もとの白さに目を奪われていると、
「…うおっ」
オレは念動力でソファにひっくり返され、部屋着と下着があっという間に消えた。
散々飲んだあとだというのにオレの息子は興味深そうに鎌首をもたげている。
馬鹿野郎、それは男だ。



オレは男色にはあまりいい思い出がなく、男にも恵まれなかったが、
このムウのやけになまめかしい様子に、しだいに胸苦しいような熱を感じた。
そんなオレの脚の間に、ムウは膝立ちのまま滑り込んできた。
かがんだ拍子にさらりと白い背が現れた。
その背を分かつように、中央に黒い帯が走っている。
どこか不自然な感じがすると思っていたが、こいつは両の手を 後ろにくくられていたのだ。
首輪の背後に通された鎖が黒い皮製のベルトにつながっていた。
…こんなことしてあの羊の親玉が黙ってるものか?
「っう…あ、こら」
余計なことを考えたのがいけない。
逃げるタイミングを逃したオレはすっかり逃げられなくなっていた。
急所に生暖かい舌を感じたとたんにあっという間にギリギリまで追い込まれてしまう。
上手い。こいつ馬鹿に上手い。
「ぐああっ出…」
しかしその瞬間またサガが背の鎖を引いたため飛沫はムウの頬と髪を汚した。
「いい子だ」
サガは優しげな声音とは裏腹にいかにも迷惑そうにオレの精液を拭うとムウの髪を撫でた。


ああ…とオレは合点した。意外な気がしたが、こいつらは出来てるんだ。
サガが変態なのは知っていた。妙なプレイに付き合わされただけだ。
「いい加減にしろ。オレは寝るぞ…」
とりあえず出すもの出して落ち着いたオレは席を外そうとした。
「カノン」
「何だよ」
「要らないのか?」
サガが高くムウの腰を掲げた。
「な…」
白い双丘は綺麗な円弧を描いている。
サガの長い指が何のためらいもなくその中央に滑り込んだ。
ムウの背がビクリと跳ねる。
サガは涼しい顔のまま慣れた手つきで入り口をもてあそびながら 次々に指を差し入れた。
熟れた赤暗色をしたそこはすでに塗れて艶を帯びていた。
サガの指が動くと同時に濁った水音をたてて白濁した液がしたたり落ちる。
ムウが激しく身をよじっているが、腰を押さえられて動けない。
そりゃあ予想外だろう、オレも正直ひいている。
サガは変態どころじゃない…狂っている。
だがそこから目が離せないオレもまともじゃない。
「…んっ…んんんつ」
ムウのくぐもった声で、オレはこいつがサガのモノをしゃぶらされていると 分かった。
こいつ、どんな顔をして…と思った瞬間にオレの体は、もうどうにもおさまりがつかなくなっていた。
サガの指の動きに呼応するようにムウの息が荒くなってゆく。
「んっ…んんーっ!」
気が付いたらオレはサガの指を押しのけてムウの中に入り込んでいた。
内部は焼け付くように熱かった。
奥には何か動物の脂のような個体が押し込められていて それがしだいに溶け出しているようだった。
「くそっ…うああっ」
ドロドロな脂と締め付ける肉とで気が狂いそうだ。
長いストロークをとる余裕もなく、派手な音をたてながらオレははめちゃくちゃに衝いた。
ムウの喉は悲鳴のような声を挙げたが、それにも次第に艶がかかっていた。
こんな状態でこいつは…
「っつ…」
そう思ったとたんオレは二度目の精をムウの中に放っていた。
ムウの体が強張り、背中の筋肉が一瞬綺麗に浮かび上がった。
やや遅れてサガの顔が歪み、ムウの体が脱力した。
倒れかかったムウの体をオレは反射的に抱えた。
がくりとオレの肩に頭を寄せたムウは涎と体液にまみれながら 浅く息をしていた。
「大丈夫か…?」
失神こそしないものの、焦点の合わない目はまるで別の世界にいってしまっているようだ。
「…あっ…」
弛緩していたムウの体がまた弓のように反った。
サガが、ムウの胸をなぶっているのだ。
「い…あっ…」
自由にならない両腕までが震えている。
サラサラと長い髪を揺らし、切なげに目を閉じて、まるで女のようだ。
実際に乳がないくせに泣くほど善がるとか一体…
そう思いつつもオレの愚息はいつのまにかしっかり回復している。
「駄…目…っく…う」
消え入りそうな声で、つぶやく声が、オレに対しての言葉だと思うと オレはこいつを、哀れむような気持になった。
「愚問だな」
「あああっ」
しかしサガの冷たい声に、ムウの頬が染まったのを見て、 オレはその馬鹿な考えを払った。
確かに可哀想なんだが、むしろもっと泣かせてみたい。

サガの手が下腹に伸びたと同時にオレはもう一度中に押し入った。
「く…」
最初こそ一瞬強張ったものの、ムウの中はまた貪欲にオレを飲み込んでゆく。
中の脂は溶けきって、今度は生々しい肉の感触がオレを包んだ。
奥まで差し入れるとムウの深い吐息が聞こえた。
普段から相当の快楽を味わっていることは明らかだ。
「凄いな」
「ああ。淫売だ」
「違…ああっ」
何故かそこを否定するムウだが、その瞬間腰がびくりと浮いた。
サガがムウをとらえたのだ。ムウの中が急にきつくなった。
「動くなよ」
オレは態勢を立て直すと後ろから腰を抑え、前方に押し付けるように ゆっくりと抽送をはじめた。
「ひ…っあああああ」
ちょうどサガもくわえたところらしい。
ムウの嬌声がひときわ高くなる。
べつに示し合わせたわけでもないのに、オレとサガの責めのタイミングは完璧だった。
焦らすのも、自ら乞わせるときでさえも、オレたちは手馴れた刑吏のように息が合っていた。
サガが平然と侮蔑の言葉を吐くのも意外な気もしたが、たぶんあれだ、自虐的な性質というのは
おそらく、責める側にまわればきっとどこまでも容赦がないのだろう。
サガと張り合っていたわけではなかったが、なぜかムウには異常なほど嗜虐心を煽られる。
オレはとにかくこの白い体を食い散らかしたい、そんな狂気にかられていた。


サガは途中で喉が渇いたといって、セギュレのワインを空けた。
確かこいつからのプレゼントだったはずだ。
向かいのソファに座り、ワインを片手にオレたちを眺めているサガは、
やはりどこか狂っているとしか思えなかった。
そしてそれを快楽の糧にするムウも、それに興奮するオレも何かもう壊れてしまっている。
オレに揺すられながらムウはうわごとのようにサガの名を呼ぶ。
しかしそれにはこたえずサガは問う。
「今おまえの中に入ってるのは誰だ」
「サガ…じゃ…ない」
オレは何かかっとなってがむしゃらに動いた。
「ちゃんと言えよ」
「…あっカ…カノン…」
それがオレの体に火をつけてしまったらしく
ムウの嬌声がまた艶を帯びてきた。
こいつは乱暴にされるほうが好きで、腰が逃げそうになったら、背後の鎖を強く引けばいい。
そんなことまで知ってしまった。
「おまえも飲むか」
オレは手渡された瓶をぐい飲みするとサガに返す。
サガはムウの前に立った。
ムウはサガの唇を求めて顔を挙げたが、
しかし後ろから貫かれているために思うように動けず
魚のようにいたずらに口を動かすばかりだった。
サガはその様子を黙って見下ろしていた。
「本当におまえは…」
サガが微笑む。しかし冷たい声音だ。
ムウは何か言おうとするが、すでに声は枯れてサガを見上げるだけだ。
「誰でもいいんだな」
ムウが必死にかぶりをふる。
しかし場が悪くちょうどオレがひときわ深くえぐったところだった。
「…っ」
ムウの背が反り、中が急に収縮した。
オレはその勢いで出してしまい、
ムウもうめくような声を漏らして達した。
実際何度目か分からないくらいやりまくっていたオレたちは一緒にソファに崩れ落ちた。
サガはムウの顔にワインを残らず注いで、そしてオレに向かって言った。
「カノン。わたしに何かあったらムウを頼む」
「え…」
疲労とあいまって頭が混乱していたが、確かにそう言った気がする。
サガはそう言うと起き上がれずにいるオレたちを残して部屋を出て行った。 気が付けばオレの下でムウが肩を震わせて泣いている。
「おまえ…」
なんだよ。サガと付き合ってるんじゃないのかよ。
よくわからないが、ああいうときのサガは確かに手に負えないが 単にすねてるだけということもある。
あの独占欲の塊みたいな男はきっと、 本来、自分のものなら他人に触れさせるのさえ嫌なはずなのだが。
「…今日は…今日のはオレが言い出したんだ」
ムウがオレを見ている。はじめてまともに顔を見たかもしれない。 目を腫らして泣いてるこいつを見るとなぜか妙に心乱れた。
オレはムウの首に手を回すと金具と首輪を外した。
「言って来いよ…サガは部屋だ」
ムウはしばらく無言でオレを見ていたが、
オレの頬に口付けして去っていった。



しばらくオレはソファに横になっていた。
疲労感と酔いが酷かったが、なぜか頭は冴えていた。
消耗したせいか、腹も減っていた。

台所に行くついでに寝屋を覗くと、サガはムウの隣で寝ていた。
ちらと見た程度だが、眉間のしわがいつもより少ない気がする。
ムウも黙ってその無造作すぎる髪を撫でていた。
サガは自分大好きなくせに、たぶんあいつ…ムウなしでは壊れるだろうなと、ぼんやりと思った。
またあの兄にそんな相手がいるということも半ば信じ難かった。
たいぶ面倒くさそうなことになってるらしいが、色恋沙汰で悩むなんて平和な証拠じゃないか。
結局は馬鹿馬鹿しくなって、オレは寝ることにした。


客間にはオレのベッドがあった。テーブルには小さな包みが置いてあった。
カルヴァドスと菓子が入っていた。甘く煮た林檎が美味い。甘ったるい強い酒も良く合った。
こんな日のこんな夜なのに、なぜか少しだけ泣けた。



終。

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