四コマ
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闇夜
動くたびに背にシオンの十字架が触れる。
それはとても軽いのに金属の冷ややかさと確かな重みで、
まるで荊の鞭のように、わたしの心を切り裂く。
押し広げられた箇所は絶えず熱を生み、理性を白くとかしてゆく。
いびつな塊は、卑しく堕ちた自らに架せられた楔のようだ。
なのになぜ、その熱はここまで恐ろしいほど甘いのか
粘膜は耐え難い遅さで緩められてゆく。
責め苦であるならなぜ、もっと苛烈にならないのか
この身が裂けても良いから、その輝くような力をわたしのうえに
振り下ろしてほしいのに…
その凶暴な男は顔色ひとつ変えずに、
狂ってゆくわたしを冷ややかに見下ろしている
その様子がどうしようもなく浅ましい感情を煽りたてる
わたしはつい夢想していた
このさまを、…あのサガが見ていたらどう思うかと。
おそらくサガの、若き軍神のような鼻梁と整った眉が
苦々しく潜められ、わたしは唾棄されるだろう
どうかその清らかな眼差しで、この身を裁いてください
サガのことを思うと胸がつまり枯れ果てたはずの熱い涙が零れる
するとどうしたことだろう
わたしの身体はするりと最奥まで、それを飲み込んでしまうのだ
思わず漏れる高い声に、黒髪のサガが満足げに笑う
ああ、…この闇は深すぎてもう、光などどこにも見えない
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