チョコレートの美味しい食べ方
chew,melt,dipだと思うんですが、時間ないので、二つだけ。

1.dip something else
「ああっ…」
「熱いのは一瞬だ」
そういいながらもサガは何度も何度もどろりと解けたクーベルチュ―ルを重ねてゆく。
室温が低いからか、チョコレートは薄い膜を作ってすぐに固まる。
そのたびに粘膜が攣られるのだが、サガの左手が内側から器用に支えているから
小さなオベリスクは威容を放ったままだ。
サガは内腿、わき腹、胸へと裾野をひろげ、スミレの花の砂糖漬けを散らした。
「食べてしまうのがもったいないな」
そういうとサガは指を抜き、そのまま台所から姿を消してしまった。
その投げやりな仕打ちがなぜか背がぞくりとするほど快くて、
わたしは素直にテーブルの上で足を開いたまま待った。
しかし待つ時間は長くて念動力で傾きは防げても倒壊を免れそうもない。
わたしはサガを真似て、左手の指を中に差し入れた。
思ったよりもきつく、うまく滑らないが、サガはいつも中でこんな感じなのかと思うと指は止まらなかった。
なんとか中指まで押し入れたところでカシャリと機械音がする。
「サガ!」
「記念に」と笑うサガの手からカメラを取りあげて、蓋を開けると、
フィルムは入っていない。
異次元に飛ばしたのか、もともと入っていないのか、サガの神のような笑みからは
計ることはできないけれど
「待たせてしまって悪かったな」
そういって優しく口付けされるともうどうでも良くなってしまう。
サガはそれはそれは丁寧にチョコレートを食べた。
その間サガの指はわたしの指と一緒に、中にあった。
「ひとりでも遊べるね」とあなたは笑ったけどひとりではこんなことしたくないよ、サガ…。
2.melt over(数年後?)

「溶けてきたな」
「ヴェローナ社は最初はとても硬いが、溶け出すと伸びがよくて最高だ」
駄目だ。コニャックのせいで頭が朦朧としている。
さすがに去年で懲りたのか、そのままオレンジやアルコールを入れたりはしないけれど
ちょうど金塊のような大きさのチョコレートバーは、解け始めたとはいえ
硬い平面を押し付けられていた。
そこに無理矢理押し入ってきたのはサガだ。
案の定お互いに痛みで身動きできない。
その状況をじっと耐えているなど、分かってはいたが正気ではない。
しかしサガの端正すぎる面差しが苦痛に歪むのは凄みさえ感じるほど美しい。
そしてあたりまえだが狂気にかられたその瞳はあの人と同じだ。
わたしは「もっと…」と言う言葉を飲み込んで必死に耐えるふりをする。
さすがにきつい。しかしわたしの下で苦痛に震え痙攣を繰り返す体とはうらはらに
ムウの瞳はわたしを拒んでいない。それどころかその奥になお焔をゆらめかせている。
わたしは所詮この身が滅びてもその炎に引き寄せられる哀れな雄でしかないのだろう。
しかし身を焼かれる刹那はどれほど甘美だろうかとわたしは夢想した。
固体が溶けるに従い、狭窄さがやわらいだ。
いまやムウの吐息すらも心なしか甘い。
わたしはムウの腰を浮かせ張り詰めた器官を指ではじいてやった。
「あっああ…」
ムウが高い声をあげ、中はまた、わたしの指先に応じて面白いように締まる。
「いや…い…やっ…い」
限界は近く、じれているのがよくわかる。
「駄目だ」
せっかくの日なのだから、もう少し楽しませてくれないか。
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