ご注意。女装・サド・マゾヒズム的表現がありますので、大丈夫な方だけどうぞ。
リクエストテーマは「メイド調教」、なので、ムウ様総受け&R18です。
ギャグです。ちょっと?お下品です(ミロ視点)。それでもよろしければどうぞ〜。















トライデント



* * *

屋敷はスニオン岬から程近い高台にあった。
もとは狩猟のための休憩所で、そこにムウがいるはずだ。
外壁には白大理石が張られ、質素だが古代を模した列柱と玄関、一対の塔を備えていた。
庭には青く光る車体の低い豪奢な車が停まっている。
三つ又の鉾を紋章に戴くその車は、いかにも屋敷の主のために作られたかのようだ。

ポセイドンの寄り代であったジュリアンは、世界巡業の旅を一時休みにし、
この屋敷で遅いバカンスを過ごしていた。
そのジュリアンが国際会議に出席していたムウを「借りた」まま、もう一ヶ月になる。




* * *



その夜、アドリア海を臨むホテルの最上階テラスで、
外相会合とは名ばかりの 戦略会議が行われていた。
NATOの武官らに交じり、各国の情報局の要人たちが勢ぞろいしている。
聖域代表のサガはいつものボサ髪を強引にオールバックにまとめ
ダークスーツを着こなし、まるで往年の映画俳優のようだ。
オレとムウは、他の、どうせ護衛だろうと思われるいかつい客らとともに、
奥の丸テーブル近くに陣取って飲んでいた。
ムウはギムレットでオレはマティーニ。
相当の上物なのに仕事の酒は不味くてかなわない。
オリーブの串をもてあそびながらオレは無駄口をたたいてみた。
「凄いな。お偉方が目白押しだぜ。これを投げたら間違いなく刺さる」
「そこで投げるのがあなたで、投げないのがわたしです。
それがわたしまでここに呼ばれた所以です。わかりますか?」
「ちぇっ冗談だよ」
「真面目に仕事をしてください」
ムウは眉毛が隠れる大きな女物のサングラスをしている。
長い髪を襟足でタイトに結んだ様子はどっかのモデルのよう。
まあ、オレも、入り口で身分を問われて髪をまとめたが、
スーツは肩が凝るから好きじゃない。


いまは戦いが小休止しているせいか、面倒な仕事ばかりだ。
ムウは手元のコースターの余白に、小さなペンで 細かな暗号めいたものを書いている。
「だいたい今どきメモなんか、レコーダーで充分だろ?」
「黙りなさい。言葉をそのまま受け取ってどうする。
表情が読めない相手こそ手元や仕草を見るんです」


会合が終わり、パーティが始まった。ここから個別交渉で
歓談と称した取引が行われる。オレたちの役目はここまでだ。
ムウはサガに近づくと、軽く儀礼的な挨拶をし、すれ違いざまに
ポケットにそのコースターを滑り込ませた。
その様子は…まるで愛人が、その類のメモを渡すかのようだ。
サガの指が触れた瞬間、ムウの頬が軽く染まったような気がした。
これも演技…なのか?


一息をついた我々の前に、白いスーツの胸ポケットに青い薔薇の花を挿した
ポセイドン…じゃなかったジュリアン・ソロが現れた。
オレたちに礼をし、挨拶をするこいつは、たかが16のガキのくせに、妙に堂々としている。
今日のホストのひとりであるうえ、海域の要所がソロ家私有ときては無碍にはできない。


海難の後の世界巡業のおかげでこのぼんつくはいまや英雄扱いだ。
敗戦したくせに名声と同情した金持どもから膨大な寄付を獲たのだから、世の中間違ってる。
さらに解せないことは、奴は世間話のあとにおもむろに「ムウを借りたい」と言いだした。
女神にも、そしてなんとサガにも話がついているという。
ムウは呆然としたまま、大人しくジュリアンの護衛たちに連れられていった。




* * *


「ちょっと借りる」という表現もさながら、一ヶ月は尋常ではない。
急ぎの修復がないとはいえ守りは薄くなるし、何よりサガが発狂寸前だ。
そんなに責任を感じなくてもいいのにな。


屋敷は思いのほか広かった。中庭に面した回廊にはソロ家の当主の肖像が飾られている。
オレはその画家のリストに瞠目した。ティツィアーノ、ベルリーニ、ヴェロネーゼ
アンドレア・デル・サルト…昔から金に糸目はつけなかったことが良くわかる。
巡業のために私財をなげうったんじゃなかったのかと思っていると奴が現れた。

「ああ、これらは売らずにおきました。家族写真のようなものですからね」
オレは絵画の話を適当に聞き流しながら客間に入った。
陶器の薔薇で出来たシャンデリアにロココ調の家具調度…
壁面は磨きぬかれた鏡、床一面はローマ風のモザイクだった。
私財を…いや、いいやもう。

席につくと奴は胸ポケットからタッチパネル式の液晶を取り出し指で軽く触れた。
すると奥からメイドが茶を運んできた。
呼び鈴の代わりとは贅沢すぎる。
オレはそのデバイスに気を取られていたが、いい香りの紅茶にふと視線をあげると
背の高いメイドが視界に入った…
え…?
「ム…ウ?」
間違いようもない、奴がそこにいたのだ。
オレの目に狂いがなければ、スカートを、はいているんだけど…。
「おまえ何やってんの」
思わずあげた大声にポットを持つ手がビクリと震え、注ぎ口がカップの端に当たりカチリと鳴る。
「申し訳ありませ…ん…っ」
「何をしている」
穏やかだが驚くほど冷たい声でジュリアンは言うと、液晶画面をなでるように指先を一周させた。
「く…う…」
ムウはなぜか身を硬くした。
「ほら。早くしないと紅茶が冷めるぞ」
「…っあ……は、はい」
ムウにしては聞いたことのないかすれた声だ。
オレは一体何が起こっているのか分からなかった。
ムウは手を震わせながらもジュリアンの、そして今オレのカップに紅茶を注ぎ終えた。
ジュリアンが液晶の画面で指を軽く曲げたと思うと、
「っあ…あああ」
ムウの手がビクリと震え、紅茶はカップから僅かにソーサに零れた。
「駄目じゃないか、サオリ」
「あ…う…ううお許しくださいご主人様…」
ジュリアンの指が往来するのと呼応してムウの体が痙攣したかと思うとその場に崩れ落ちた。
まさか…まさか。


肩で息をするムウは明らかにムウなのに、その妙に整った髪型と、そして衣装のデザインのせいか
肩幅までが華奢に見える。そして細すぎる胴はコルセットで締められていた。
短いスカートの下から太ももにコードのようなものが見えたと同時にオレの頭は真っ白になった。
「もともとはNASAで開発した技術でね…」
ジュリアンが何か喋っているが、聞こえない。いったいどうしてこんなことになっているのだ。
オレはそのムウの、剥き出しになった太ももに透明な液体が一筋流れるのを呆然と見ていた。


オレの注意を引き戻したのは、ジュリアンの携帯電話の着信音だった。
凍りついた場に不似合いな能天気なモーツアルト。オレはようやく思考を再開した。
「ああ…プリンセス、どうしたの?」
ジュリアンは喋りつづけている。
その間ムウはまだ必死に何かに耐えている。


サオリと呼ばれていたが、それは女神の日本名だ。
ということはまさかムウは女神の身代わり?
それとも単なるこいつの趣味なのか。


「失礼、急用が」、とジュリアンは席を立ち、
オレにそのデバイスを手わたすと、
「ちゃんと調教してあるから、好きなように使っていいよ」
と微笑んで部屋から出て行った。


* * *


「…ミ…ロ…」
消え入りそうな声でムウがオレを見る。
ムウは顔をぐしゃぐしゃにして泣いていた。
「…お願…い…止…めて…」
いつもの済ましたコイツからは想像もつかないほど、の…。
「…ああ…待ってろ」
このデバイスの、液晶画面がコントローラーなのか。
指で触れるとメニュー画面に戻り、選択リストがずらりと並ぶ。
そのタイトルが『水責め』とか『串刺し』とかことごとく拷問系なのはなんなんだ。
多分これで切り替えられるはずだったが、
オレはふといたずら心がでて、ボリュームを軽く回してみた。
「…っああああ」
ムウは弓なりに体をそらせて、床を転げた。
まるでスカーレットニードルを喰らって激痛に悶えているようだ。
違うのは、苦痛ではなく、それがどうやら快楽らしいということだけだが…。
オレは敵を前にしたような、残酷な気持になった。
「うああっ…っつあああ・・や・・・嫌あああ」
「ごめん間違えた」
いい気味だ。おまえオレを馬鹿にしすぎなんだよな。
「こっちはどうだろう」
「や…それは違…っつあっあああっつああん」
面白さというか、オレは欲情にかられて、とりあえず目ぼしいメニューを全部試した。
ある機能ではご褒美とお仕置きが同じ場所に置かれていた。違うのは強弱だけ。
あのガキ、分かってるな。



ムウの声が枯れ始めたころ、ようやくボリュームを下げた。
少しいたずらが過ぎたか、ムウは倒れたまま起き上がらなかった。
オレはそのデバイスをしげしげと見てみた。
メニュー画面に現れたデータは『画像』、『動画』の項目に大別されていた。
『画像』…は…一枚目からひどくえぐかったのですぐに閉じた。
『動画』を選択すると、ムウの喘ぐ声が両端のスピーカーから漏れてくる。
ムウはモヒカンの男に激しくヤられていた。褐色の肌に組み敷かれたムウも悪くない。
海闘士…か。カノンまでいる。あの野郎…。
しかしどんな時もメイド服は必ず着用しているところはジュリアンのこだわりなんだろう。


自分の声に気が付いたのか、ムウが跳ね起きる。
「…消してください、それ。お願いします」
「そのまえにこれ、なんとかしてくれる?」
オレはムウの顔にはちきれそうな息子を押し付けた。
正直ムウは趣味じゃなかったが、理屈じゃないエロさにもう限界だった。
軽蔑とも怒りともつかない眼差しでムウはオレを見あげた。
その拍子に白いレースの髪飾りに、内側にまいた髪がかかって、くるんと揺れる。
そんな可愛い格好して睨んだって恐かないぜ。
「ふうん…『お仕置き』ってボタンもあるけど」
するとムウは無言でオレに跪いて、オレのモノをくわえた。
その従順な様子とレースに縁取られた白い肌と…なんだかほんとうにたまらない。
ムウの口紅がこすれて上唇の上に赤色が広がる。
その様子がなぜかとても卑猥でオレはすぐにイってしまった。
喉の奥に押し付けて、かなり強引にしたのに、ムウは難なく飲み干した。
「調教してあるから」というジュリアンの言葉が蘇る。


「あのさ…『ご主人様』って言ってみて」
「誰が…!」
ムウは涙目のままオレを睨んだ。いつものムウだ。
あるいはオレの右手のコントローラーを狙っているのかもしれない。
オレはとっさに、『お仕置き』を押す。
「ぐっ」
その瞬間、青い火花が散ってムウの体が軽く宙に浮いた。
そのままドサリと倒れたムウは微動だにしない。
物理的な攻撃には慣れているはずのこいつの目の焦点が合っていない。
「まさか…電気ショック…?」
信じられない。ジュリアンあいつ…鬼か。人を人とも思わない貴族の血が成せる技なのか。
ほどなくするとムウはのろのろと上半身を起こした。
「だ…大丈夫か?」
「ご主人…さま…」
可愛い笑顔だがなんかやばい。明らかに目がやばい。
ムウは右手で上体を支えると黒いタイツに覆われた脚をゆっくりとオレの前で開いた。
レースの密集したスカートの中にはムウの白い太ももと女ものの下着、
奥には金色の取っ手のようなものが見えた。
肌には透明な電極のようなものと派手な紫色の細いコードが張り付いていたが、
それも局部に密集している。


「どうかお情けを…」
そういうとムウは腰を浮かせ、その金具に手をかけ引き抜こうとした。
ムウがまさかこんな…いやこれはムウじゃないという思いがオレの頭をグルグルと占める。
「ま…待て」
そういや、自慰っていうメニューが30個くらいあったなと思ったオレは思い出した。
「自分でして」
「…はい」
女のような声で喘ぎながらムウはその取っ手を器用に出し入れしては、卑猥に腰をくねらせた。
最初はわざとらしかった声に次第に艶がかって、ムウはすぐに昇り詰めていった。
その瞬間まで「ご主人様」と言わせるのはどうなんだと思いつつ、オレはねだられるままに
ご褒美をやらねばならなかった。


その、飾りのような小さい下着を脱がせるのももどかしく、オレはそのまま横にずらすと強引に押し入った。
「…あ…ん」
苦痛に眉根をよせながら、ムウは商売女のような甘い声をあげた。
無理をして媚態をつくる様子が妙に男心をくすぐる。
まさに主人の理不尽な要求に必死にこたえる若いメイドという感じ、演技だとしたらたいしたものだ。
ムウの腰は締められて女のような細さだ。そのせいなのか、中は酷くきつくて熱い。
ムウもまた自身はコードに縛られたまま…ということは完全に女のようなイきかたをしてるということか。
コードの先端がが耳の中まで入ってるのがとても恐いんだが、いったいどんな感覚が…と
喉がゴクリと鳴ってしまう。
抜差しするたびに強い香水をかいだときのような、あまい眩暈に頭の奥がしびれてくる。
これが敵の攻撃だったらオレはとっくに死んでるな、と思いながら、オレはその異常な状況を楽しんだ。
「ご主人様…き…気持いい…です…ああ…ん」
オレはなんか馬鹿にされている気がして、ムウの腰を左手でかかえたままタッチパネルを操作した。
「ううっ…やああ、やめ」
鈍い振動音がムウの体内から響いて、ムウが急に暴れだした。面白い。
「逃げるなよ」
本気で暴れるムウを組み敷いて…これは黄金でないと無理だろうと思いながら
両脚を押さえるとオレはめちゃくちゃに衝いた。


中で出したときは快感よりも征服感が勝っていた。
続けざまに昇らされて正気に戻ったのか、ムウは泣いている。
力づくで女を犯すとこんな感じなのだろうか。
不思議に罪悪感はなく、いやその罪悪感こそが、好いんだろう。
「ミロ…ひどい…」
「そんな格好してるほうが悪いんだよ」
まさに身勝手で最低な男の言い分だが、この場合これ以外の台詞が思いつかない。
「…覚えてなさい」
ムウが低く呟く。いつものテンションだ。恐い、これは真剣に恐い。
「そんなこと言っていいのかよ。おまえ、これ自分じゃ外せないんだろ?」
「余計なお世話です。さっさとお帰りください。隙を見て自力で脱出しますから」
「あっそう。じゃあとりあえず聖域で報告してもいいか?サガがえらく心配してるしな」
「お願いです…!サガにだけは…どうか黙っていてください」
なにこの変わりよう。
オレはカチンときたが、そのお願いの仕方があまりに可愛かったものだから、
オレはムウをテーブルに押し倒して二回ヤってしまった。
ムウは諦めたのかもう逆らわないし、そんな切なげな顔を見ながら、スカートをめくりあげてやるってのは…
癖になりそうで…ううむ、メイド服侮り難し。

オレは部屋のカーテンを拝借すると、ムウを包み、屋敷を後にした。
ムウが暴れるといけないから、手元のスイッチは入れたままだ。
わずかに喘ぐ様子も病人を運んでいるようにしか見えない。
ジュリアンには悪いが、「自由にしていい」といったのだから、
お持ち帰りしたってバチはあたらないだろう。


* * *



さてオレはまずアテネ市内に部屋を取った。
このままま聖域に帰るわけにはいかない。
こういう事態に冷静に対応できる男が必要だ。
小宇宙は控えて携帯でオレはカミュを呼んだ。


カミュの到着を待つ間も、ムウは体の違和感に必死に耐えていた。
無茶したオレのせいなんだろう。多少気の毒になってくる。
しかしこいつの皮膚を這う配線がどう組み合わされているかわからないうちは、
安易に服を脱がせられない、と真面目に思う。
感電死したら元も子もないからな。
まあ、この服を脱がすのは正直もったいない、という気持もあった。
「しかしおまえ、なんで、こんな…大人しく従ったんだ?」
無理にでも逃げられただろうに。オレは不思議だった。
「いいたく…ありません」
「なるほど、メイド服が着てみたかったのか」
「違います!」
「言わないと…」とオレはパネルに手をかける。
ムウも手を伸ばしたが、オレが一瞬早かった。
諦めた様子でムウはぽつりと言った。
「…無理矢理逃げることもできました。しかし…あの子は」
「あの子?ジュリアンか?」
「…ジュリアンはわたしを抱いて『サオリ』と言って泣くんです…」
「は…?それって何?女神の代わりってこと?」
「それだけではないと思います。もっと女性一般に対する何かがあるような気がするのです」
「何かって何だよ。なんでそんなことが分かるんだよ」
「幼いころの貴鬼が…母親を恋しがるのとまるで同じでした。詳細は分かりませんが、一ヶ月、
あの屋敷にいて、母親の影は一切ありませんでしたし、おそらくそのあたりに彼の鬱屈した
女性への心理があるのでしょう。」
「あるのでしょう、っておまえ何冷静に分析してるの。自分が何をされたか分かってんのか?」
オレは自分が何をしたかを完全に棚にあげて問い詰めた。ムウは目を伏せながらもはっきりと言う。
「それとこれとは話が別です」
オレは呆れた。
そういえばこいつは十二宮の戦いのときですら、サガを庇う発言をしてアイオリアともめてたな…。
「…おまえね、自分が犠牲になってなんとかなればいいっていうのやめろよ。サガが心配してたぞ。本当に」
「その点については……申し訳なく思っています」
その点しか反省してないんかよ、と思ったがやめておいた。
ムウは泣き出しそうな顔をしている。
オレはようやく気が付いたがおそらくこいつは…
「…そんなに好きなのか」
「え…?」
ムウの顔が赤くなる。
「いたぶられるのが、だよ」
ムウは耳まで真っ赤に染めた。ふうん…そんな表情もできるのか。
「だっておまえ凄いよこれ…」
オレは動画を再生する。ざっと見ただけでもカノンに貫かれたムウの乱れようが圧巻だ。
「何回イってるの」
からかうように言うとムウはコントローラーを奪おうとオレにつかみかかったが、
「ああっ…う…嫌あああああ」
通常レベルにボリュームをあげられてあえなく床を転げまわることになる。
たまらない。
「もっと酷いことされたいんだろ?」
まあ、オレが虐めたいだけなんだけど。
「う…うう」
そう、ムウおまえのその顔。そんな泣き顔がたまらない。
「サガには黙っていてやるよ」
「ッ…ミ…ロ…!あああ」
「『ご主人様』、だ。」


* * *



ムウの喘ぎ声はけして大きくないが、妙に嗜虐心をそそる。
ちらと見せた表情あれは明らかに感じてたし、本当に悦くないとああいう声は出ないものだ。
しかしこの、タッチパネルのコントローラーはエロいな。科学技術万歳だ。
画面に中指でそっと触れるだけで相手がのたうち回るのだから思わずオレの爪が伸びてしまうじゃないか。
こんな機械じゃなくて、オレ自身で鳴かせてみたいと思わないでもなかったが、
どうやらオレは指先で、相手が発狂寸前まで苦しむのを見るのが何より好きらしい。
それに苦痛で発狂するのは珍しくないが、快楽で発狂するのはまだ見たことがなかったし。
血だるまにしないだけ、まだ良心的だろう。


バレリーナのように短いスカートがくるくると回る。
膝上までの黒いタイツに包まれた脚は適度にむっちりとして本当に女のようだ。
女の靴は赤いピンヒールが一番だと思っていたが、このちょっと少女趣味というのか、
低めのヒールにベルトのついた黒の靴もムウのおっとりした雰囲気に似合っていた。
毛先が巻かれて整えられた髪は人形のようで、手首まで覆う袖とレース、桜色に塗られた爪。
少し赤い色の残るくちびる…。ずっと踊りつづける少女の童話、あれはなんだっけ…。



「楽しそうだな」
カミュが現れた。
ムウの格好とこの異常事態に顔色一つ変えないところはさすがだ。
危ないところだった。あまりに面白すぎてムウをメッタ刺しにするところだった。
オレはムウをベッドにあお向けに寝かせると、カミュに調査を任せた。


「これは取り外せる」
ムウの体に張り巡らされたコードを、確認し終えたカミュは言った。
さすがに体内に埋め込まれているわけではないようで、オレは僅かに安心する。
しかしカミュの赤い指先が、ムウの白と黒の衣装の上を、肌の上を這うのは
また怪しい気持になってしまう。
「吸盤も急速冷凍すれば細かく砕けるだろうが…やっかいなのはこれだ…」
カミュがその指を再びムウの中に差し入れた。
「あうっ」
したたる大量の白濁に少し眉を寄せたが、カミュの指先は奥に進み
前立腺の裏側に嵌められた柔らかい振動体にたどり着いた。
「動かしてみてくれ」
オレはくるりとパネルの上に指を滑らす。
「やめ…あああっああああああ」
鈍い電子音が響き渡り、ムウの体が面白いように跳ねる。
「なるほど、よく出来ている」
「あああっ…なんとか…してください」
カミュはムウの言葉をまったく聞いていないかのように続けた。
「外す前に、少し実験したいことがあるのだが良いか?」
いつもの真面目な顔だが、そこはかとなく楽しそうだ。
オレだから分かるが、こういうときのカミュは止められない。
「聖闘士の体がどれほど快楽に耐えられるのか個人的に興味がある」
「カ…カミュ…あなたまで」
「よいなミロ」
なぜオレに訊く…と思ったがそういえばオレは今こいつのご主人様だったっけ。
「ああ。せっかくだからオレも見てみたい。狂い死するのか、とかな」
「ミロ…ッ!」
「『ご主人様』だと言ったろう?」
「あ…はああああ…んっ」
また中を動かすとムウはカミュに貫かれたまま悶え始めた。なんて正直な体だろう。
本当に狂う寸前まで虐めてみるのは面白そうだ。


だが小宇宙が暴発すると困るし手助けがいるな…と思ったそのときに、運良くシャカが現れた。
思い返せば、オレはこのとき、なぜシャカが来たのかよく考えるべきだった。
「シャカ。いいところに。ムウを押さえるのを手伝ってくれ」
「何をしているのだね」
「気持ちよくなる実験だ」
「シャカ…ッ、助けてください!」
「ムウは嫌がっているようだが」
「馬鹿をいえ。照れてるだけだよ。嫌がっていたらムウにこんな格好、させられないだろう?」
「ふむ。一理ある」
シャカの防御壁が張り巡らされた。
シャカが両足を、カミュがムウの両手を押さえた。
「どうやら嫌というのは口だけらしいな」
ムウを一瞥するとシャカが言い放った。
そういえばさっきからイく直前で止めてるから、もしかしたら本当は欲しいのかもしれない。
オレは「さすがはシャカ」と素直に感心した。
いよいよといったときに部屋のドアが勢い良く開いた。


「な…何をしてるんだおまえたち」
アイオリアだ。オレは舌打ちした。
またよりによって面倒なのが来てしまった。
「なんでおまえがここに…」
「メールが…」
すわ誤送信か?と確認すると昨日のCCメールに返していたようだ。
一瞬冷やっとしたが、オレたち同い年連中だけの連絡網だ。良かった。
「すまん見なかったことにしてくれ。呼び出して悪かったな」
ごまかせるとは思ってないが、とりあえず笑顔で言ってみる。
「まてミロ、ここはムウの相手をしてもらえばいいだろう」
そうだオレたちはムウを押さえるのに精一杯で肝心の相手がいない。
アイオリアは状況がわからず、固まっているが、ムウはその姿を認めると大きくかぶりをふった。
「アイオリア…お願い…や…ううううっ」
「ほらご指名だ」
「え…ええっ…ム…ムウなのか?」
「何をためらっている。こんな据え膳二度とないぞ」
「す…据え膳だと…?」
たしかに黄金聖闘士三人がかりで据えている膳など前代未聞だ。
「犠牲の尊さを思いたまえ。君は食卓に供された肉に手もつけないのかね?
それでは屠られた獣の魂はけして浮ばれまい。それと同じことなのだよ」
シャカが加勢した。会話に加わっていること自体が驚きだが、変な説得力がある。
「そうだ、こういう状況でヤらなかったらかえってムウが可哀想だ」
「据え膳食わねば男じゃない、と言うしな」
「そうそう、男じゃない」
「な…なにい…」
アイオリアはふらふらとこちらに近づいてきた。
「オレは…男だ…」
しかしムウを見るとまた固まった。
「か…可愛い…」
…そうか、女のいない聖域で堅物はこうなるのか…。
完全に頭に血が上って、嫌がってる相手に欲情することはないだろう。
「シャカ、おまえどうだ?」と振ってみたが
「わたしは欲しいときは自ら取る。他人の手を煩わせたりはしない」
と、にべもない。
「あっそう。じゃあアイオリアにおねだりしろ、ムウ」
「うう…嫌、嫌です!」
「おまえも大概頑固だな。今更誰と寝てもおんなじだろ?」
「嫌です。アイオリアなんかと…」
「なん…だと?」
その言葉にアイオリアが正気に戻ったようだった。
いや、正気に戻ったというか何かが切れたというか…。
「おまえたちそこをどけ!一対一で…」
ああ、やっぱりこいつ面倒くさい…オレはため息をついた。
まさに技が繰り出される瞬間、カミュがムウのスカートをぺろりとめくった。
「な…」
赤い指先でムウのそこを押し広げるとつつっと白濁が滴った…と思う。
俺から見えないが。案の定アイオリアの頭に上った血は別の場所に移動したらしく
奴は訓練着もろくに脱がずにムウに覆い被さった。
「あうううっ」
ムウの顔が苦痛に歪むがアイオリアは止まらない。
「おい…乱暴だな」
ムウの体が勢いで押しやられるのを俺たちが必死に押さえる形になってしまった。
たまっていたのかアイオリアは二度ほど連続で果ててハアハアと肩で息をしている。
「お…オレはなんてことを…」
「ああ。ほんとめちゃくちゃだったぜ」
「でもムウは相当良かったみたいだな」
二度目に衝かれまくったときには、ムウ自身もまたがくがくと脚を震わせて明らかに達していた。
今もぐったりと体を弛緩させながらときおり痙攣をくりかえしている。
「本当にマゾだなあ」
オレは改めて感心してしまう。
「調教されるとこうなるのか」
カミュですらも感慨深げだ。
「いや、もともとの性質であろう」
しかしシャカはさらりとそう言ってのけると、おもむろに配置についた。
あれっ…とオレとカミュが顔を見合わせた瞬間、
「ムウに何をする」
さっきまで側で落ち込んでいたアイオリアがシャカの肩をどついた。
「何だね?!君こそ…」
言い終わる前にアイオリアの拳が飛び、シャカはそれを防ぎざまに手刀を返した。
アイオリアはそれを受け…組み合ったままにらみ合いが続く。


完全に二人の世界に入ってしまった同僚を他所目に、オレとカミュはせっかくなので
ムウを挟むことにした。
ムウをベッドの上に膝立ちにさせ、カミュは前から、オレは後ろからムウの両手首を掴み串刺しにした。
カミュはムウの乱れた髪や髪飾りを指先で整えながら、しかし遠慮なくその喉奥を衝いている。
しばらく楽しんだあと、オレはいいことを思いついた。
「オレたちは動かずにムウに頑張ってもらおうか」
その言葉だけでムウがびくりと反応する。
自ら動いているうちに最初はぐったりとしていたムウの中が次第に熱く潤ってきた。
「凄いな。男でもこうなるのか…」
「素質もあるんだろ。もう少し早く、そうそう頑張って」
スカートが揺れ、長い髪がくるくると踊る。
その腰つきがたまらないし、なんといってもむちむちとした尻と太ももがこたえられない。
「こんな状態で自分から動くなんてどんな好きモノだよ…」
命令しておいてそう罵倒すると、また中がきつくなる。最高だ。
もう手放したくないオレの…
「ああ、もう駄目だオレ…いく…」
「くっ…わたしもだ」
オレはムウの腰を掴んで一気に昇りつめた。


最後には三人ともベッドに倒れ伏した。さすがに少し休憩。
ムウの目は空ろだが、心なしか口元が緩んでいるようだ。
まだまだいけるだろう。
こんどは二本同時に入れてみようか、そんな話をしていると扉が開いた。


アルデバランだった。
飲み物でも頼もうかと思ったそのとき、
「…おまえたち」
背後からサガが現れた。


オレたちはシャカの防護壁の中で、半裸のまま洗濯物のように回転した。
ああ…そうだ、オレの送った文面は「ムウがヤバいサガにはないしょ××ホテル○号室」
サガに知らせるあたりがアルデバランらしいなあ…


* * *



主犯のオレはサガにこってり絞られた。
久しぶりに会って、つい、旧交を温めていたら行き過ぎた、という話にしておいたからだ。
「たまってたんだよ。悪かったな」
ムウまでそれに同意したことで、サガは相当にショックだったのだろうか、
個人の性的趣味についてはそれ以上の追及はしなかった。
まあ本当のことを言ったらおそらく首をくくるだろうからオレとムウはとっさに口裏を合わせた。
すわ、半殺しか、スニオン岬か…と思ったが、聖域を空けたことも、オレの任務時間の範疇ということで、
それほど厳しいおとがめはなかった。
それより私用で黄金を呼び出し聖域を留守にさせたことのほうが問題だったようだ。
オレは謹慎一週間だった。



ジュリアンからその後、何の連絡もない。諦めたのだろうか。
しかし、ムウをああまで調教したのは誰だろう。
ムウの話からするとジュリアンではないのかもしれない。
謹慎中に暇にあかせて考えていると、カノンが自宮を訪ねてきた。
オレはピンときた。ムウを飼いならしたのは、おそらく…。


カノンはジュリアンがまた巡業に出かけたということ、
あの屋敷は無人になったということを告げた。
「ムウを正式に招待したいが、いいか?」
「なぜオレに訊く」
「『ご主人様』、だろう…?」
カノンが居間のテーブルに置いたのは、あのとき壊れたはずのコントローラーだった。
「…友達連れて行ってもいいかな」
「勿論だ。何人でも」


そう言うとカノンは何食わぬ顔で帰っていった。
その後姿を見送りながらオレは合点した。


あいつはあの屋敷から逃げられなかったんじゃない。
…逃げなかったんだ…。


確認したらデータは全て無事だった。
のみならず、オレたちとのときの音声までも入ってる…。




……。
…参ったな。



謹慎明けまで、待てそうもない。







あとがきにかえて

キリ番123456は「メイドムウ様で調教」でした。ご主人様はミロ(+カミュ)で
悪ノリした年少組(アイオリアら)が参加
、というリクエスト、わたしのほうが
悪ノリ全開で書かせていただきました!!!たると様、ありがとうございます♪
(もう一つリクがあるのですが、時間かかるかもなので、とりあえずこちらをば)

メイドの萌えどころ、もし外していたらスミマセン。リク主様と私の趣味でムウ→
サガ風味なのはご愛嬌です。この話ではお互い片思いならいいな、なんて…!
(押さえきれない恋心でムウ様はついカノンに溺れ、カノンもそんな弱みに乗じて
兄譲りの魔拳やら、あやしげな同僚やらを駆使して調教とか…妄想止まりません)
一応はサイトの設定とは違うということで無駄に21世紀風?にしてみました。
タッチパネルはエロいと思うんですが、どうでしょう。指で画像広げるとか…!
たると様、マニアックかつ本当に楽しいリクエストをありがとうございました!


2010年2月24日


油すま吉@ソルティカルテット