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・・乙女羊祭の盛り上がり、そして素晴らしい30の質問と 25の質問(四コマのページ併記)に答えているうちに萌えが着火し、 勢い余って書いてしまいました。 アニメ設定です。 宇宙船に乗ってるとんでもない話です。 荒唐無稽パラレルが苦手な方は閲覧ご遠慮ください。 シャカムウ+貴鬼→ムウの話。 ちょっとだけ成長した貴鬼(ここではキキ)のモノローグ構成です。 * * * 命の水 丸い窓を無数の星が飛ぶように横切る。 オイラの乗った個人用のポッドは光の数百倍の速さに加速している。 もう少しでワープ。 注意深くコントローラーを握りながら、オイラはムウ様の無事を祈った。 今日の昼過ぎ、知らせをうけてオイラが母船から帰ってきたときにはもう、 ムウ様は危篤状態だった。 昼まで元気で働いていたのに、急にパタリと倒れたらしい。 オイラたちは地球人と違ってめったなことでは病気にならないけど ムウ様の生命反応がものすごく薄くなってた。 白い顔をさらに真っ白にしていてムウ様は喘いでいた。 船にある薬が効かないということは この前寄った地球の病原体かもしれない。 「オイラにも診させてください」 って言ったけど 「駄目だ。伝染性かもしれん。お前は近づくな。」 アイオロス艦長に叱られた。 すでにムウ様のベッドの周りには透明な膜で囲いができていて なぜかその脇にぴったりと、シャカが張り付いていた。 ・・・シャカ、オイラの大嫌いな奴。 奴は言ったよ。 「私が見たムウはあと4時間のうちに死ぬ。」 こんなことがわかるシャカの能力は本当に残酷だ。 どよめく周囲を尻目に 「これが現実だ」 と、顔色も変えない。 「この船でムウはさまざまな難病を治してきた。医者としての使命を立派に果たしたといえよう・・・せめて私の手によって引導を」 なんてとんでもないことを言い出す始末。 周りの皆が必死に止めていたよ。 「待ってよ!ムウ様だってそんなの嫌だといってるよ」 オイラはムウ様がこの男を鬱陶しいと思っていることを知っていた。 そんなこと絶対嫌に決まってる。 「あと、あと4時間あるんだよね。あの星の病原体ならそこに抗体があるかもしれない。オイラ行ってくるよ!」 いろいろ調べたら、古いデータだけど、どうやら難しい病気に効く"命の水"っていうのがあるらしいんだ。二百年前の話だけどね。 だから今、万に一つの可能性にかけてオイラは地球に向かっている。 時空間移動ならオイラにだってできる。 オイラだってアリエスの端くれだから。 待ってて。ムウ様。 いくら運命だからって、ムウ様を死なせやしない・・・! * * * ワープは成功。あとは軌道を整えるだけ。 ・・・オイラは医務室での光景を思い出して唇を噛んだ。 ・・・ほんとはシャカも、一緒に来ようとしたけど・・・ でもムウ様は・・・シャカがそばから離れようとしたとき ・・・引き止めたんだ。 なんでなの。 シャカがあんなにそばにいて 嫌なんじゃなかったの? あれは何だったの? ・・・オイラこんなときテレパスでなかったらと思うよ。 ・・・なんでよりにもよってシャカなの・・・ムウ様。 あのシャカだよ? ・・・ムウ様・・・オイラ、シャカ嫌い。 ムウ様が嫌がるのに部屋まで入ってきて。 ムウ様が抵抗できないのをいいことに好き放題して。 (だってオイラたちの力で抵抗したら地球人なんか一撃で 死んじゃうものね) まったく地球人なんて寿命も短いし、野蛮だし、よわっちいし…変な奴らだよ。 その中でもシャカはピカイチに変だ。 ムウ様といっしょに寝ているとかはべつにかまわないよ。 でもどうしても許せないことがある。 オイラはいつも心の中で叫ぶんだ。 オイラたちにとって眉毛は命なのに。 なんであんな奴に触らせるの、ムウ様・・・! 本当に嫌な奴! 「シャカはどうして地球人のくせにムウ様にくっつくの?迷惑だよ」 オイラは言ってやったことがあったけど。 「ムウだからだ」 ほんと全然話通じないね。 「・・・オイラたちは同じ種族同士でないと幸せになれないっていうよ」 「それは前例がなかったからだ」 『いったいその自信はどこから』ってムウ様は苦笑してたけどホントだよ! まあ、地球人だからあと百年くらいの辛抱なのかな。 でも・・・でも。 ・・・オイラ、ムウ様が泣いてたの知ってる。 沈着冷静で有名なアリエスの、しかもあのムウ様が泣くなんてよっぽどだよ。 絶対にあいつが意地悪しているに違いない。 許せない。 なんて奴だろう。 ムウ様・・・ああ こんなときにシオン様がいてくださったらと思う。 きっとシャカなんか一発で追い払っちゃうよね。 そんなこと考えているうちに銀河系に突入した。 太陽から数えて三番目の青い星。 オイラは計器を見つめながら、 地球の上層に突入した。 * * * 一番高い山あたりに着陸するはずだったんだけど なぜか滝のようなところ落ちてしまった。 ものすごい引力だった。 このあたりの磁場はめちゃくちゃなんだ。 オイラはなんとかポッドごと地上にテレポートさせ、外に出た。 「ほっこれは珍しい、宇宙人か」 声のほうを見ると滝の前の岩に、生命体。 皮膚が紫だ。耳も尖っている。 ・・・ヒューマノイド(人型)かどうかも怪しい。 何星人だろう。 オイラが来たのは地球じゃなかったのか。 大気の成分といい、時間軸といいここなんだけど。 計測データを見るかぎり地球人らしかった。 挨拶をしようとすると、ふいに小さい影が現れた。 「ご無事でしたか、老師。気の乱れが。」 声のするほうを見てオイラはひっくり返りそうになった。 「ム・・ムウ様ぁ!?」 「いかにも、私の名前はムウです。わたくしになにか御用ですか?」 オイラはあまりのことに言葉が出なかった。 名前も、そして眉毛まで同じなのは偶然すぎるだろう。 でも一番ドギマギしたのは・・・。小さいムウ様だったことだ。 オイラよりずっと背が低くて・・声も高くて。 10歳くらいだろうか。肩より少し長い髪をゆるく束ねて、その「ムウ様」は・・ほんと女の子のようだったから。 「あの、オイラ、キキっていいます。」 「キキ・・・あなたの名前はキキというのですか」 「はじめまして、ムウ様。実は・・」 オイラは、古い地球語を駆使して、頑張って説明してみた。 「そうですか…未来の別の星から来て、あなたのお師匠さんが重態・・・。」 「オイラの話を信じるの?」 「ええ。あなたが身につけているのはこの星にはない金属ですからね。」 ムウ様はオイラのプロテクターを珍しそうに眺めながら言った。 「軽くて、硬いがまた粘度もある。チタンやプラチナを混ぜたような・・・」 そういって細い指で腕や肩を触る。 (やっぱり地球人だ。あったかい) ついぼうっとなってしまう。 ムウ様の手がオイラの頭に触れた。 「コレは・・・」 角があるんで驚いたみたいだ。 そりゃあ、地球人にはないからね。 「エヘ・・・これは子供のしるしなんです。 多分もうちょっとたったら取れるけど。」 そのとき。 「何をしているのだねムウ!」 不機嫌そうな甲高い声が聞こえた。口調は偉そうだけど、 子供の声だ。 「シャカ。君も来たのか」 オイラはまたのけぞりそうになった。 えええ・・・!!シャカだって??? 「ムウ様」はともかく「シャカ」がいるはずはなかった。しかしその姿は明らかに子供の、ちっちゃいシャカだった。 生意気で他人を寄せ付けなそうなところまでそっくりだ。 ・・・ここは、時間軸が過去なだけではなく、パラレル世界なんだろうか。 しかし小さいシャカの登場でオイラは我にかえった。 そう。こんなことをしている場合じゃなかった。 「それで"命の水"を探しているんです」 すると老師と呼ばれていたその変わった地球人が口をひらいた。 「ジャミールの近くにジャンダーラという岩山があるじゃろう。 その山の水は難病に効くため"命の水"と呼ばれているがのう。」 「それです!オイラ行ってきます。」 「山岳地帯だが・・・大丈夫かの。」 「アリエス星人だから大丈夫です」 そう言ったら皆ものすごく不思議そうな顔をした。 「不案内でしょうから、私もいっしょに行きましょう」 ・・・山道で小さいムウ様と二人きり。 このムウ様ほんとに女の子みたいだよ。 いや、今まで見たことのあるどの星の女の子より可愛い・・・。 と、ムウ様はいきなりオイラの手をとった。 不謹慎だけどオイラはものすごくドキドキした。 「急ぐならテレポートしますが」 「うんオイラもテレポートはできるよ」 このムウ様も軽々と宙を走る。 地球人でここまでテレポートできるなんてびっくりだ。 もしかしてオイラの星の・・・ そんなことまで考えしまった。 「着きました。ここの泉です。」 空気が薄くて大分苦しかったけど、なんとかたどり着いたみたいだった。 二種類の容器に採集する。 一種は滅菌加工をして、もう一種は生のまま。 ムウ様はオイラを珍しそうに見ていた。 そしてその様子もやっぱり可愛かった。 * * * 帰りにまたあの滝のところに寄ると 老師と呼ばれた紫の人と むっとした顔をしたちびシャカがオイラ達を待っていた。 老師は液体の入った器を手渡してくれた。 見るとなんかとっても濃い色の謎の液体が入っていた。 「わしらも煎じ薬を作ったのじゃ。」 よく分からないけどものすごく効きそうだった。 「老師ほんとうにどうもありがとうです!」 「このシャカが山から色々薬草をとってきてくれたんじゃよ。」 「私を拝みたまえ!」 「いくらでも拝むよ。シャカ。ありがとう!」 オイラは嬉しかった。このシャカはいい子だ。 小さいムウ様との別れを惜しむ暇もなく、 オイラは急いでポッドに乗り込んだ。 帰りのほうが運転は気をつけなくてはならない。 時間がないから一気にワープしたいけど、ここは慎重に行かなくては。 チーフエンジニアのシュラの注意を思い出しながら、オイラは離陸した。 所要時間は二時間半。 到着してすぐ船の時計を見た。 こちらでも残り一時間を切っていた。 医務室に駆け込むと船の皆が集まっていた。 やっぱりシャカは隣に張り付いたまま。 保護膜は熱と水蒸気で真っ白になっていた。 「これ・・・この水だよ」 「よこしたまえ!」 シャカの目が開いていたのにちょっとびっくりしたけど、 オイラは注意深く容器を渡した。 「嚥下する力はあるようだ」 ムウ様は必死の力をふりしぼって抵抗していたみたいだけど やっぱりシャカに押し切られていた。 だって普通に液体銃で打てばいいのに口移しするんだもの。 ああ〜・・・ムウ様苦しそうだよ。 「馬鹿な・・・感染したらお前も命はないぞ、シャカ」 と皆があきれても 「本望だ」 とまったく気にしてない。なんて野蛮なんだ! あと、「老師」が配合してくれた怪しい煎じ薬、 ・・・ちょっと心配だったけど、これも注射してもらった。 * * * 果たしてムウ様はよくなったんだ。 オイラは、よくやった、と皆に誉めてもらった。 でも一番うれしかったのはムウ様がオイラの活躍を 誰よりも喜んでくれたことだ。 子供のムウ様も可愛かったけど。 女神様みたいな綺麗なムウ様が大好きだ。 オイラが守って、ずっとそばにいてやるんだ。 シャカなんか追い出そう。 そう思ってムウ様の部屋に行ったよ。 案の定奴は来ていた。 ムウ様となにか話しているようだ。 入ろうとしたら、ムウ様の笑い声が聞こえた。 ・・・いつも優雅な微笑みのムウ様が声をたてて笑っている・・・! ああ、ムウ様・・・ オイラは切なくなった。 でもムウ様があんなふうに笑うんなら オイラ・・・ オイラは扉に背を向けた。 窓に映ったオイラは今にも泣きそうな顔をしていた。 いけない。 オイラはアリエス。 情けない顔をするわけにはいかないんだ。 オイラは黙ってムウ様の部屋から離れた。 悔しいけど・・・ムウ様が幸せならオイラは見守ることにするよ。 何かが足元に落ちた。 オイラの角だった。 終
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地球人による平和な母船、"パラス・アテナ"の調査船 サンクチュアリ号 構成員は次の通り ・艦長 アイオロス 正義感あふれすぎてたまに暴走:地球人 ・副艦長 サガ 指令官兼参謀 :実は悪いサガ星人で二重人格 ・チーフエンジニア シュラ 整備は常に完璧:地球人 ・副司令官&船医 ムウ 助手 キキ 地球人と友好同盟を結んだアリエス星から派遣、高度な技術と明晰な頭脳で船をサポート、常に沈着冷静。 ・予知担当 シャカ神仏(?)とコンタクトできる超能力者。:地球人(?) ・武器担当 デスマスク 平和目的の船だがその戦略センスは天才的:地球人 ・通信通訳・交渉担当 アフロディーテ 語学万能:地球人 ・操舵手長 アルデバラン 頼れる大黒柱:地球人 <その他> ・シオン アリエス星白羊大司祭 アリエス星雲代表 多分三万歳くらい。 ・カノン サガの双子の弟。兄に勘当されて海賊に。宇宙支配を試みるもののアテナ軍の攻撃にやぶれて、現在ポセイドン戦艦艦長。 ・ラダマンティス ハーデス軍の総司令官、ハインシュタイン戦艦艦長 平和同盟の破壊を企てる。乗組員はミュータントが多い。 ・地球人代表はドウコ、知恵袋。他ミロ・アイオリアと青銅組はアテナ号母船に。 わかる方にはバレバレかと思いますが、まんまスター〇レックです。 カークとスポックの代、そして今のエンタープライズシリーズが好きです… |