『あの夏の日の君と僕』







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新学期が始まった。

長かった夏休みが過ぎて僕はまた学校に通う。

…おかしい

いつも必ずやってくるシャカの姿が見えない。
ああ。あんなにイライラしてたのに、
それが習慣になってしまうと妙に気になるものだ。

結局、考えながら校門まで来てしまった。

「おっムウ、元気にしてたか?!」
アイオロス先生が声をかけてくる。
運動部の顧問であまり親しくはないのだけれど
弟が同じクラスで僕のことは良く知ってる。

もしかしたら…奴のこと、何か聞いてるかもしれない。

「ああ。あの留学生。インドに帰ったよ。」

「え…」


「知らなかったのか?仲良さそうだから知っていたかと思った」

他意はないだろうアイオロス先生になんとかお礼を言うと僕は校舎の陰に座り込んだ。

あの日の君の言葉は…こういうことだったの?

確かに君のこと僕は嫌いだって言ってしまったけど
そんなのいつものことだったじゃないか。

シャカ…僕は…。


始業の鐘が鳴ったけど、授業どころじゃなかった。





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僕は学校を早引けしてあの日の丘に寄った。

始業式だから幸い授業もない。

…僕は酷いことをしたのかもしれない。

君は黙って笑っていたけど

ほんとはとっても傷ついていたのかも…。

でも…

だからといって何も言わずに

行ってしまうことないじゃないか。

夏が駆け足で終わるように。

あの日の空の雲はもう二度ど

戻ってこない。


僕は草の上に寝転んだ。

遠くでまだ蝉の声が聞こえる

こんなふうに体を投げ出していると

必ず

行儀が悪いと口をはさむ君

そう…

いっつも君は僕のすることに

何から何までうるさくて


そして…そして…






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