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Scene...and everyone(終幕) 宮の前には隣のアルデバランが来ていた。 「さきほどムウがものすごい速さで私の宮を往復していったのだが、何かあったのか?」 「ムウは白羊宮にいるのではないのか」 「いや、さっきいったん戻ってまたわたしの宮を駆け抜けていった。」 「ではそのまま上に向かったのだな。」 「私も行こう、サガ」 《お前はいらん》、と騒ぐサガを黙らせて二人は階段を駆け上がってゆく。 隣のデスマスクと、彼の宮にいたカノンによると、上方では勝手に宮を通過されたアイオリアが怒ってムウを追っているらしい。ムウの動向を察知していたシャカらと合流し、6人はムウを追って走りながら十二宮を登っていった。面白がってついてきたミロやアイオロス、緊急の召集かと勘違いしたシュラやカミュらを巻き込み、薔薇園にいたアフロディーテも加わって一同は教皇の間に向かった。 「教皇!!」 一足先に教皇の間にムウが滑り込んだ。 「どうしたムウよ」 ムウはシオンの前に膝をつき、両手をついた。 「シオン。覚悟が決まりました」 そのいきなりの覚悟の決まりようはどうしたことか。天啓でも下ったか。あまりの唐突な訪れにさすがのシオンも内心驚いていた。息こそ乱れていないが、走ってきたらしいことは察しがつく。 「どうかあのサガをお許しください」 「否と申したらいかにする」 「代わりに私の命をお取りになってくださって結構です」 「それはならん!」 「ならばお許しください!」 後ろの一行がなだれ込んだのはちょうどムウが土下座をしているところだった。 「おまえたちまでどうした」 ムウの隣に滑り込むようにしてサガが片膝をついた。 「どうか、お許しください」 「お、お許しを」 「お許しを」 その横に座るとほとんど条件反射で頭を下げるアルデバランに行儀のよいシャカ。 残りの一行も勢いで教皇の間までついてきてしまった以上、等しく土下座である。 実際、椅子から立ち上がり、不快の念をあらわにしているシオンを前に立っていられる者などいなかった。
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