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三本目のジンを空にして、ムウは俺のベッドを占領して寝ていた。 追い出そうと揺り起こすと、寝ぼけたのか腕を回してくる。 酔ったムウはあまりに無防備で…俺はついその柔らかそうな頬に目を奪われてしまう。 いかん。 俺は何を考えているんだ。 こいつは、男。しかも食えないことでは天下一品のアリエスのムウだ。 俺はこいつが大の苦手なのだった。 そんな俺の考えを無視するかのようにムウは左腕を肩に、右手を腹に回してきた。 「あなたはあたたかいですねえ」などと訳の分からないことをほざきつつ、そのまま俺を押し倒すようにして、ベッドに伏してしまった。 しまった。さっきこいつが涙声なんかになるからつい油断した。起き上がれない。 「オイ・・」 「……」 「寝てんのか?」 「……」 「寝るならベッドを貸してやってもいいが、靴くらい脱げよ」 「…ZZZ」 「こら、ムウ!」 ペチペチ、と頬をたたくとようやくムウはまぶたを開けた。依然として俺の上に半身を預けたままだ。 半分寝ているのか酔っているのか目が完全に座っている。 上目遣いで見上げる目はシオンそっくりで妖気さえ発しているようだ。 …はっきりいって恐い。 不穏な空気が流れた。 どうやら俺は奴の狩猟本能?を刺激してしまったらしい。 ここで退けば、追われる。それは分かっていたが、どうしても及び腰になってしまう。 焦りまくる俺を見てムウは不敵な笑みを浮かべた。 「なんですかデスマスク、私が上では嫌ですか?」 「何を…するつもりだ」 「人に脱げなどといっておきながら、往生際が悪いですね〜。」 「俺は自分が可愛い!とことん悪あがきをするのが俺の性分なんだよ。」 「…ククク。観念なさい。」 そういうとムウは俺の首筋に舌を這わせてきた。 うをー!!勘弁してくれ!!!くすぐったいだけだ。これで感じたりしたら俺はまちがいなくホモの仲間入り。。 「やめろ!俺は男は趣味じゃあねえ!」 「おや、初めてですか?優しくして差し上げますよ。」 「そういう問題じゃ…うわっ!離せ!!」 そうだ…たとえ女より綺麗でも、野郎は嫌なんだ。 伏せた長い睫毛に一瞬、心動かされたとしてもそれは空しい現実逃避である。 そしてこのムウの奴は、やはり恐ろしいくらいの馬鹿力だった。 しっかりと首を押さえられたうえに肩口をきめられて体をひねることすらできない。 ムウは俺が動けないのをいいことに反則な場所に手を伸ばした。 しかも妙に手際が良い。 …こいつ、何者? さすがにあのシオンの弟子。いやそんなことで関心している場合ではない。 「う馬鹿こら…や、、やめろ!」 精一杯の抵抗を試みた。 「可愛い人ですね」 逆効果だった。 「うっつ・・・ぎゃあああああああ」
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