Scene ムウ
気持ち良く寝ているところを起こされた。
あたたかいと思ったら、自分の腹の下でデスマスクがもがいている。…どおりで騒がしいわけだ。
ムウは眠りながら無意識にデスマスクの肩口を決めていたらしい。
しかし聖闘士ならこのくらい逃げられなくてはどうする。
ムウは目を閉じてまた寝ようとした。
「こら、ムウ!」
…うるさい男だ。
酒のせいかデスマスクの肌からは汗の匂いが際立った。
「……」

ムウは別にこの男を食ってしまおうという気はなかったのだが
何故か必死なこの男をふとからかってみたくなった。
「どけって言っているだろう…おまえ何を…うわっやめろ」
ムウは男のシャツをはだけ、器用に服を脱がせてゆく。
「何をする!」
綺麗に生えそろった体毛も胸や腋下、下腹から鼠径部の密集はいかにも男の体といった風情だ。
いたずらをしてみたくなるというのはこういう心境だろうか。

ムウは男を抱いたことはなかった。
しかしなぜ男が男を欲しいと思うのか分からなくもない。
たとえば今自分の腕の中で抗うデスマスク。
無駄な肉はなく、また張り詰めたような筋肉ばかりでもない、三歳年上の男。
その肌は、少年のような瑞々しさを残しながら、熟したオレンジの実のような弾力があった。ムウとしてはなんとなくその果実に口付けしてみた、というところである。
肌に唇を触れるたび、デスマスクは大げさな悲鳴をあげる。 いまや顔を背け必死で顔を背ける男の首筋に舌を這わせながら、ムウはあらわになった体に掌をすべらせた。ざらざらとした胸を撫でるたびに男は体をこわばらせ、脚をばたつかせて抵抗している。

「やめろー!俺はそんな趣味はない!おい!」
「なんとも思わないというなら何故そんなに慌てているのです?」
「くすぐったいって言っているだろう!だから…ウッやめろ」
「本当にそれだけですか?」
胸からみぞおち、脇腹を丹念に滑る指先。指の腹で触れるか触れないかという軽やかさで、しかしまとわりつく絹の糸のような執拗さで愛撫され、デスマスクは覚えず息をあげてしまう。
腰から臀部にむけて背筋を掌でなぞられたときデスマスクは奇声をあげのけぞった。
「…おぅッ…」
「ここが良いのですね」
「馬鹿をいえ、これはな…どああー」

声を殺したり、叫んだりとせわしないデスマスクの呼吸。
その眼にはうっすらと涙さえ浮かんでいる。
「すこしは素直になったらどうですか」
「うるせえ…だからな、俺は…ゲッ…ムウ貴様何を??」

ムウは脇腹から巧みに手を急所に滑り込ませた。
「嫌がっている割にはまんざらでもない反応ですね」
「言うな!…あッ」
「大人げないですよ」
「くそ……ッ・…く…っ」


軽く攻め立てただけでデスマスクは顔を真っ赤にして首を左右に振っている。
食いしばる唇から白い歯が除く。
「歯並び素敵ですね。」
そう言うとムウはその必死で食いしばっている唇を舌で割り、彼の歯茎をなぞるように舌先を転がす。
「……!!」

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