「さてどうしましょうね。私はあなたが欲しいのですが。」
俺の困惑をよそに、ムウは楽しそうだ。
俺は男に犯られるのだけはなんとしても避けたかった。
逃げられないならば、女にするように攻めたほうがまだ精神的なダメージは少ない。
…と思いたい。
しかし。はたして気持ちがついていくだろうか。

とりあえずその旨を伝えると、 ムウは「そうですか」、と言ってパサリ、と髪を解いた。
そしてあっという間に例の、よくわからない服を脱ぎ去った。
白い肢体に絡みつく長い髪はそれだけで妙な色気を放っている。
茫然と眺めている俺の頬に、ムウが手をかける。
「くずくずしていると私がいただきますよ?」
う・・そ…それだけは勘弁。

「キスしてください」
退くに退けずムウに口付けをする。舌を絡め、今度は自分から攻め立ててみた。
女にするように髪をなで、まどかなおとがいを指でなぞる。
ムウは目を閉じ、眉根を寄せ、やや苦しそうに息を吐く。
首筋からの手を、筋肉しかない胸へと滑らせる。
薄く産毛が生えているだけの白い白い肌。
この陶器のような肌は触っていて悪い気がしない。
胸の突起を指先で転がすと、ムウの体がビクリと跳ねた。

…こいつ自分で俺を攻めてた割にはこういうところは弱いんだな・・
唇を解放するともう一つの突起を舌で転がす。
「あ…ッ・・ああ」
ムウが耐え切れず声をあげる。

くそ。…なんて声を、あげるんだ。
顔を挙げた俺はムウのその顔に釘付けになってしまった。
口付けの名残を唇から滴らせ、陶然と目を潤ませるムウは 怪しいほど気をそそった。

俺はどうかしている・…

男は無理だとあれほど思っていたのに。。。
気持ちはついていかなくとも、体はきっちりついてきているのだった。
相手はムウだそ、と思いながら自分の半身を恨めしくおもった。

こうなったらもう、腹を決めるしかないだろう。
「さっきの仕返しといくか」
俺はムウの両手をその頭上に挙げさせ左手で押さえつけた。
「デスマスク…?」
「いいか、大人しく、していろよ」
俺はムウの両手に脳天をかち割られないよう注意深く体を斜にすると唇で胸や脇腹を丹念に愛撫した。
女を愛するなら、このあたりの出来で勝負がきまる。俺は妥協はしない。
数箇所、ムウが体を振るわせる弱点を見つけたが、あからさまに攻めることはしない。
周囲からじらして徐々にのぼりつめさせてゆく。
「う…ッ・…く・…」
声を殺しているムウから漏れる吐息がかえってなまめかしい。
女を悦ばせているときと同じような充実感が広がってゆく。実際ムウの反応は悪くないどころか 良くも悪くも敏感すぎるようだった。
腋下から下腹部へと、指を滑らせ、最後の関門にたどり着く。
…さすがに躊躇しないわけではない。自分と同じものがついているのだから。
しかし浅黒い自分の器官とくらべムウのそれは色素が薄く、細い紫の体毛も浮世離れしていて 男のものというより、花弁からこぼれるおしべのようだった。
恐る恐る手で触れるとムウの体がビクリと跳ねた。
面白れえ…

手を動かすたびムウは声にならない悲鳴をあげて身をよじる。
「ムウ、いい眺めだそ」
「デ…ス…マスクッ…い・・い」
「これがいいのか?」
「違う…ッ…痛いッ」
「…あ。すまん」
悪いと思った俺は、女にするようにそこに口付けた。
「あっ…あ」
ムウの声が艶をふくんだように濡れ、俺は夢中で舌を這わせた。
「駄・・目です・・そんな」
…ああ。たしかに猛烈に駄目なことをしているな、とは思ったがムウのその声のほうがよほど問題ありだ。

意地悪をしてみたくなる。

「駄目、か。でも嫌ではなさそうだぜ」
左手の束縛を外して俺は本格的にそこを攻めはじめた。
顔を股間に埋めた俺の頭をムウは切なげにかき抱く。
「あっっあ…ああああ」
よし、そろそろだなと思った俺は顔をあげた。
ムウがうらしめそうな顔でみつめている。
「不満か」
さきほど俺におなじことをしたくせに。
「…デスマスク、あなた…」
「どうしてほしいか言ってみろよ」
「!?」
ムウの顔に明らかな狼狽の色が浮かんだ。
頬は真っ赤だ。
面白いことこの上ない。
「そんなことを…いえるわけが…あうっ!」
今にも怒って立ち上がろうとするムウだが、あいにく急所は俺の手のなかだ。
「どうしたよ」
「あ・・ああ…っ」

奴のだいたいの弱点を把握した俺は一気に攻め立て、ギリギリのところで止め、また 刺激を与える。
あまりにお定まりのパターンが、こいつに通用するとは思わなかった。
しかし、ムウの乱れるさまはもうなんといったらいいか…
…やばかった。

俺は両手で愛撫を続け、ムウの耳朶を噛み、耳元で囁く。
「どうしてほしいか、いえよ」
「…ッあ…」
「聞こえねえ」
そのとき。
ムウは消え入りそうなかすれた声で「もっと」といいやがった。
それと同時に俺の理性も飛んだらしく、俺はムウを待てずに 奴に押し入り、ムウの悲鳴を唇て抑えながら、夢中で腰を動かしていた。

ムウが体を大きくそらし、体を震わせて果てた。
それを待つか待たないかくらいで、俺も瞬時に果てていた。
脳髄がしびれるくらいの強烈な快感。
俺はその時の記憶が不確かだ。
何かアホなことを叫んだかもしれない。

たかだかこれしきで、とは思いながら、俺は息も絶え絶えだった。

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