○第三幕第二場
――そのころのシャカは。
例のごとくそよそよと風の吹く沙羅双樹の園で、きょうもまた瞑想をしていた。
辺りは無音。
静かな呼吸のみが繰り返され、シャカの端正な姿勢も表情も、微動だにしない。
しばしののち。
「む――悟った」
口の中で呟くように、シャカは言った。
静かに目を開ける。
視線は、中空を見つめ。
そして彼は、決然たる口調で言ったのだ。
「協定など、破るためにあるのだ」
と。
「そうだ。サガの愚か者の口車に乗せられ、私はすっかり勘違いしていたのだ。戦いにせよなににせよ、すべては実力のある者が勝つのだ。そして、その実力を表明する私の努力は、何人(なんぴと)であれ妨げることなどできぬ。そんなことは許されぬ」
そして、シャカはやにわに立ち上がった。
「ならば行動あるのみ!」