日中も自然にムウといる機会が多くなった。
そしてこの美しい男を見ているのはわたしだけではないということを知った。

…とりわけ親しげに話をしようとする乙女座のシャカ。気難しい仏教男だが、ムウといるときは…やはり気難しいには違いないがそれでもどこか浮かれている。ムウもその異様ともいえる不自然さには気付いているようだった。
「シャカ――あの男おまえに惚れてるな」
「困ったひとだ」
「ほおっておけ、あいつはどうしようもないバカなのだ」
「あなたは…!」
ムウはくすりと笑った。
ムウの笑顔は初めて見たが・…この男、なんと罪のない表情をするのだろうか、サガ、あの男が多いに勘違いしたのもわかる気がする…


…そういえばサガはずいぶんと静かになった。
奴はもう、意識の断片と化していたが、ほんの少し前までは口だけは減らず、わたしとムウのことをとやかく言っていたのだ。

『…肉の繋がり…それも可能だろう…しかし』
…しかしなんだというのだ?
『愛するようになってしまったらどうするというのだ?ただそばに居て欲しいというとき・…これはどう説明する?』
…なにをバカな、とわたしはせせら笑う。
ムウは賢い男だ。わたしとの関係はあいつも良くわかっている。そのうえでムウはわたしに不平すらこぼすのだ。

「おまえが欲しいから欲しいと言い、抱くのだ。なにがわるい?」
こういうとムウはいつもため息をつく。
「早々にわたしのからだに飽きてほしいものですね」
この男の生意気な物言いにはもう慣れた。しかし、わたしには快楽以外のなにものでもない行為がムウには苦痛をともなう肉体労働にほかならぬとあっては、少々具合が悪い。ムウの弱点はまだまだありそうだ。わたしもすべてを知ったとはいえぬ。そこである晩わたしは言った。

「ムウ」
「なんです?」
「もう少しわたしに協力しろ、そうすればもっと良くさせてやる」
「・・な・・っ!!」
ムウはこのわたしのめずらしくも親切心からの提案を突っぱねた。しかもわたしの頬を張り倒すという真似をして。
…よかろう、わたしはおまえを許さぬぞ。
わたしは、ムウの意志などお構いなく、力任せにそのからだを犯した。無論手加減など一切なしだ。ムウは二度ほど意識を失った。あまりに乱暴だったせいか、サガまでが口を出してきた。いまさらムウを傷つけるな、などとぬかす。どこまでもとぼけたやつめ。死人は指をくわえてみているがいい。わたしはよけいに残酷になった。




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