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(エピローグにかえて…)







「…夏が終わる前に」

「何?」

「あのソネットを」

「うん?」

「君に捧げよう」

「…いらないってば」

「まあおとなしく聞きたまえ」

「……」

得意げなシャカ。こんなとき何を言っても無駄。

僕は観念して、君の隣で目を閉じた。





『きみを夏の日にくらべても

きみはもっと美しくもっとおだやかだ

はげしい風は五月のいとしい蕾をふるわせ

また夏の季節はあまりにも短い命



時には天の眼はあまりにも暑く照りつけ

その黄金の顔色は幾度も暗くなる

美しいものたちもいつかは衰える

偶然か自然のなりゆきで美は刈りとられる



だが きみの永遠の夏は色あせることはない

きみがもっている美はなくなることはない

死もその影にきみが迷いこんだと自慢はできない

きみは生命の系譜の中で永遠と合体するからだ





人が呼吸できるかぎり その眼が見えるかぎり

この一編の詩は生き残り きみに生命をあたえつづける』





Shall I compare thee to a summer's day?
Thou art more lovely and more temperate:

Rough winds do shake the darling buds of May,
And summer's lease hath all too short a date:

Sometimes too hot the eye of heaven shines,
And often is his gold complexion dimmed;

And every fair from fair sometimes declines,
By chance or nature's changing course untrimmed;

But thy eternal summer shall not fade,
Nor lose possession of that fair thou ow'st;

Nor shall death brag thou wander'st in his shade,
When in eternal lines to time thou grow'st:

So long as men can breathe, or eyes can see,
So long lives this, and this gives life to thee.







(William Shakespeare,Sonnet XVIII)






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あとがきもどき・・

最初は某様に教えていただいたかの有名な『砂の果実』的な
少年期の繊細な心情をと思ったのですが、
…所詮私には無理でした。

油の脳内劇場、テキストだとさらに言い訳できないですね。
昔の教科書引っ張り出して何をやってるんだか…。
全然学園モノではないというかなんというか。
そしていつも以上に突っ込み所満載です。
ほんとコレ…できることながら逃げたり隠れたりしたいくらい恥ずかしいです。

件のソネットは思潮社『シェイクスピア詩集』より。
色々な解釈があり名訳が沢山ありますが、
あえて油が初めて出会った関口篤訳を。
(最後のmenの訳だけ「人間」→「人」と変えてます;)
このまったりした感じがちょっとシャカっぽいかと。


え〜…本気でコントの台本のようなお話に、
お付き合いいただきありがとうござました。

…オフ原稿頑張ります。

2006年初秋  油すま吉









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喪失←要らないオマケ(シオンムウ萌えの声をお聞きしてこの設定で書いてしまいました。油の初シオンムウ(汗)。ムウ様18歳の誕生日の出来事。タイトルどおりめちゃくちゃ暗い話です。この話の読後感ぶち壊しですし、爽やかな話が好きな方にもお勧めできません。)
オマケ↑があまりにアレなんで、間違って読んでしまった方のためにオマケを。まあ、こっちは甘いですな。というかアホです私が。