********************* (エピローグにかえて…) 「…夏が終わる前に」 「何?」 「あのソネットを」 「うん?」 「君に捧げよう」 「…いらないってば」 「まあおとなしく聞きたまえ」 「……」 得意げなシャカ。こんなとき何を言っても無駄。 僕は観念して、君の隣で目を閉じた。 『きみを夏の日にくらべても きみはもっと美しくもっとおだやかだ はげしい風は五月のいとしい蕾をふるわせ また夏の季節はあまりにも短い命 時には天の眼はあまりにも暑く照りつけ その黄金の顔色は幾度も暗くなる 美しいものたちもいつかは衰える 偶然か自然のなりゆきで美は刈りとられる だが きみの永遠の夏は色あせることはない きみがもっている美はなくなることはない 死もその影にきみが迷いこんだと自慢はできない きみは生命の系譜の中で永遠と合体するからだ 人が呼吸できるかぎり その眼が見えるかぎり この一編の詩は生き残り きみに生命をあたえつづける』 Shall I compare thee to a summer's day? Thou art more lovely and more temperate: Rough winds do shake the darling buds of May, And summer's lease hath all too short a date: Sometimes too hot the eye of heaven shines, And often is his gold complexion dimmed; And every fair from fair sometimes declines, By chance or nature's changing course untrimmed; But thy eternal summer shall not fade, Nor lose possession of that fair thou ow'st; Nor shall death brag thou wander'st in his shade, When in eternal lines to time thou grow'st: So long as men can breathe, or eyes can see, So long lives this, and this gives life to thee. (William Shakespeare,Sonnet XVIII) *********************** *********************** あとがきもどき・・ 最初は某様に教えていただいたかの有名な『砂の果実』的な 少年期の繊細な心情をと思ったのですが、 …所詮私には無理でした。 油の脳内劇場、テキストだとさらに言い訳できないですね。 昔の教科書引っ張り出して何をやってるんだか…。 全然学園モノではないというかなんというか。 そしていつも以上に突っ込み所満載です。 ほんとコレ…できることながら逃げたり隠れたりしたいくらい恥ずかしいです。 件のソネットは思潮社『シェイクスピア詩集』より。 色々な解釈があり名訳が沢山ありますが、 あえて油が初めて出会った関口篤訳を。 (最後のmenの訳だけ「人間」→「人」と変えてます;) このまったりした感じがちょっとシャカっぽいかと。 え〜…本気でコントの台本のようなお話に、 お付き合いいただきありがとうござました。 …オフ原稿頑張ります。 2006年初秋 油すま吉 back Topへ戻る 喪失←要らないオマケ(シオンムウ萌えの声をお聞きしてこの設定で書いてしまいました。油の初シオンムウ(汗)。ムウ様18歳の誕生日の出来事。タイトルどおりめちゃくちゃ暗い話です。この話の読後感ぶち壊しですし、爽やかな話が好きな方にもお勧めできません。) オマケ↑があまりにアレなんで、間違って読んでしまった方のためにオマケを。まあ、こっちは甘いですな。というかアホです私が。 | |