*******************


当然のように僕の向かいに座って。

「飲まないのかね。わたしのおごりだ」

偉そうに言うシャカは

ものすごい色の飲み物を飲んでいる

「要らない。」

ほんと、目障りなんだけど。

添加物とか青色何号とかそういう毒にあたって

死んでしまえばいいのに。

「おごりだと言っている」

要らない、というのはさっき言った。

…おごられてたまるか。

もう無視。

絶対に無視。

この、僕のお気に入りの喫茶店

そっちが勝手に入ってきたのに

僕が帰る筋合いはないし。

怒るのも大人気ないから

しばらくここにいてやるけど

君なんか完全無視だからね。

「足を組むなど君は案外行儀が悪いな」

…君にいわれたくない。

「肘をつくのもマナー違反だ」

放っておいて…って。だいたい誰のせいだ。

「上のチェリー要るかね?」

「要らないったら!」

・・・あっ

答えてしまった。

僕のバカ・・・。




***************


そう…いつもそう。シャカは行儀よく足をそろえて、

遠慮なく僕の一人の時間に入ってきて…



「何を読んでいるのだね」

…来た、とは思ったけど

…気づかないフリ。

「ふむ。サンテックスの『南方郵便機』か。」

「え…日本語読めるの?」

「当然だ。わたしはハーフだからな」

「えっ日本人とインド人の?」

「いや、イギリス人とインド人だ。」

…じゃあ何で日本語読めるのさ…

シャカがあんまりにも「至極当然」という顔をしてるから。

僕はそれ以上聞く気も失せてしまった。

…まあ、良く分からないけど、シャカはハーフなんだ。

日本人ではないというところがちょっと親近感を持った。

僕もクウォーターだから髪の色や色素が薄い。

「この色の髪はあんまり好きじゃないんだ…」

「そうかね」

「神様が茶色にしようとして途中で飽きちゃったみたいな色」

シャカは「ふふっ」と笑って言った。

「わたしがみた君の神とやらは趣味がいい。」

「そう?」

「わたしは好きだが君も君の髪も」

「ん…ありがとう。素直に喜んでおくよ」

何かひっかからないでもないけど、うれしかった。

そう。僕はこの外見のせいでクラスの子に女みたいだってからかわれるんだ。

「男として認めんっていっつもクラスの子に馬鹿にされるんだよ。」

「そんな輩にはわたしが引導を渡してやる」

「あははは…引導だって。仏教徒の君が言うとなんだか凄く可笑しいよ。」

僕は自分が笑っていることに驚いた。

しかも声をたてて笑うなんて何ヶ月ぶりだろう。

シャカ…君は本当に不思議な奴。






*******************




これはこちらの絵茶のログとほぼ同じです;


next



back



Topへ戻る